ファッション・ウィークってなに?

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Geienneffe Editore s.a.s.

 ファションウィークとは、1週間にわたって行われるファッションの新作発表会のことで、1年のうちにメンズ2回、レディース2回開催される。1月と2月には秋冬コレクションが、6月と9月には春夏コレクションが世界に公開され、今後のシーズンにやってくる流行、つまりトレンドの最先端が発信される。最も規模が大きく重要な「四大ファションウィーク」は例年ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリの順で行われるが、ファションウィークはこの4つに限らず、世界各地の都市で開催されている。

 この何年か、ファッションウィークで急速にアジア人モデルが多く起用されるようになり、年々その注目度が増している(職業モデルではない俳優なども、モデルもしくはゲストとして呼ばれる)。今年9月のミラノ・ファションウィークの際、中心街で韓国人俳優の凄まじい追っかけに出くわした。肝心の俳優ではなく彼に群がるファンを見ている方が面白く、中には嬉しさのあまり腰を抜かすイタリア人女性もいて、驚いた。世界的な韓流ブームの影響なのか? 日本人モデルではパリとミラノで数多くのランウェイを歩いているYuto Ebihara(海老原優斗)くんが今、成長株である。


 現在のファッションウィークは巨大化し、参加費用が高騰しているからか、ある程度大きくて知名度のあるブランドしか名を連ねなくなった。ミラノに関して言うと、かつては小さなブランドでもランウェイを行ったし、我々一般人もショーを観に入場することができた。運が良ければフロントロー(最前列)に座れることさえあった。しかしながら今は敷居が高くなり、俳優やインフルエンサー、ユーチューバーのみ優先的に招待され、一般人は入ることができなくなった。雑誌社や有名団体の招待客であっても入場の際に入念なチェックが入るのは、セキュリティの問題もあるのだろう。昨今の環境保護団体や動物愛護団体の抗議でショーを台無しにされたところもあると聞いている。
 私たち一般人にもかつては手が届いたファッションウィーク。時代の変化とミラノの進化とともに、徐々に遠ざかりつつある。

Ciao! Journal

(『Ciao! Journal n.52』2024年11/12月号より)

Ciao! Journal n.52

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